こんにちは、安藤大智です。
今回は股関節のつまりについて書いていきます。
股関節について
股関節は、ボール状の大腿骨頭が寛骨臼にはまりこんで構成されています。
関節窩が臼のように深いので臼状関節といわれています。
臼状関節は浅い球関節より脱臼しにくく安定していますが運動の自由度は制限されています。
関節が健康なときは、骨頭が滑らかに回転・スライドして動きます。
しかし、何らかの原因で骨や軟骨、筋肉の動きのバランスが崩れると
つまった感じや痛みを感じることがあります。
股関節がつまる、痛くなる例
①大腿骨頭が関節の中で「前方・後方・外側」に少しずれる
②骨や軟部組織がぶつかる
③その結果、つまる、痛みの感覚が生じます。

股関節のつまりの原因
筋肉や腱の硬さ(機能的原因)
原因となる筋肉
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋):前方の詰まり感
大腿直筋・大腿筋膜張筋:前外側の詰まり感
梨状筋・中殿筋・小殿筋:後方や外側の詰まり感
内転筋群:内側の詰まり感
これらが硬くなると股関節の動きが制限され、
屈伸や開脚時に「詰まる」「引っかかる」ように感じます。
関節のズレや可動域の偏り
骨盤や大腿骨の位置関係が少しずれると、
股関節がスムーズに回転できず詰まり感が出ます。
特に前方変位(大腿骨頭が前にずれる)で前側につまり感を感じやすいです。
長時間座る人や猫背姿勢の人に多いです。
関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)
股関節のソケット(臼蓋)周りにある 関節唇 という軟骨が傷つくと、引っかかるような痛みが出ます。
スポーツ(サッカー、ダンス、格闘技など)で多いです。
骨や軟骨の変形
FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント):骨の形の異常でぶつかります。
変形性股関節症
軟骨がすり減ることで詰まるような痛みが出ます。
立ち上がりや階段昇降で詰まり・痛みを感じる人が多いです。
その他
股関節周囲の滑液包炎(炎症)
腸腰筋炎症・腱炎
腰椎や骨盤の歪み(腰からの影響)

筋肉について
股関節を曲げる(屈曲)筋肉
主に脚を前に上げる動きです。
腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)
最強の股関節屈曲筋。
大腿直筋(大腿四頭筋の一部)
膝を伸ばしながら股関節を曲げる。
縫工筋
あぐらの動きで活躍。屈曲+外旋+外転を同時にやる補助筋。
股関節を伸ばす(伸展)筋肉
脚を後ろに蹴る動き。立つ・歩く・ジャンプに重要な筋肉です。
大殿筋
ヒップのメイン。強力に後ろへ蹴り出す。
ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)
股関節伸展+膝を曲げる二刀流。
股関節を外に開く(外転)筋肉
片脚立ちで骨盤を支えるための筋肉です。
中殿筋
骨盤を水平に保つ主役。歩行の安定に必須。
小殿筋
中殿筋の補助。細かいコントロール担当。
大腿筋膜張筋(TFL)
外転の補助+膝の安定にも関与。
股関節を内に閉じる(内転)筋肉
内ももの筋群
大内転筋
長内転筋
短内転筋
薄筋
→ 脚を内側へ寄せる。歩行・キック・体幹の安定に関与。
股関節を回す(回旋)筋肉
外旋(外に回す)
梨状筋・上双子筋・内閉鎖筋・下双子筋・大腿方形筋(いわゆる6つの深層外旋筋)
大殿筋の一部
→ つま先を外へ向ける、立位の安定に重要。
内旋(内に回す)
中殿筋 前部
小殿筋 前部
大腿筋膜張筋
→ つま先を内へ向ける、歩行中の骨盤制御に関与。

ストレッチについて
腸腰筋ストレッチ(股関節前側のつまりに効果的)
①片膝を床に、もう一方の脚は前に置いてランジ姿勢になります。
②胸を張ったまま、骨盤を軽く後ろに倒します。(お腹を少し引っ込める)
③後ろ脚の付け根が伸びたら30秒キープします。
④左右 3セット行います。
☆ポイント
腰を反りすぎないようにします。
骨盤を後ろに倒すのがポイントです。
梨状筋ストレッチ
①仰向けで膝を立てます。
②片足首を逆脚の太ももの上に乗せて「4の字」になります。
③下の脚を胸に引き寄せます。
④お尻の深い部分が伸びる位置で30秒キープします。
⑤左右 3セット行います。
☆ポイント
背中は丸めず、骨盤を立てる意識します。
膝が内側に倒れないようにします。
③ 大腿四頭筋(前もも)ストレッチ
立ちor横向き寝
①片足首を持ってお尻に引きつけます。
②膝が前に出ないよう揃え、胸を張ります。
③30秒キープします。
④左右 3セット行います。
☆ポイント
足首を強く引っ張りすぎないようにします。
骨盤を軽く後ろに倒すと伸びやすいです。

パートナーで行うストレッチ
股関節牽引
①仰向けになり、片膝を軽く立てます。
②パートナーが足首を両手でしっかりつかみます。
③軽く“まっすぐ”足を引っ張る(5〜10秒)
④緩める → ゆっくり引くを3〜5回行います。
☆ポイント
真っ直ぐ引く(上方向へはNG)
痛みが出る場合は即中止
パートナーヒップオープナー(内旋・外旋調整)
①仰向けになります。
②パートナーが片足の膝を持ち、
外に開く(外転)内側に倒す(内転)つま先を外・内にひねる(外旋・内旋)
③どれか一つで“詰まりのない方向”にゆっくり引いて20秒キープします。
☆ポイント
無理に押さない
伸びるというより「関節の引っかかり」が取れる方向を探す
つまりが出る方向には行かない
パートナーハムストリング & お尻ストレッチ
★ハムストリング
①仰向けで片脚を上げます。
②パートナーが脚の裏を押し、90°付近までゆっくり伸ばします。
③20~30秒キープします。
★お尻・梨状筋
①仰向けで片膝を胸に近づける形をつくります。
②パートナーが膝を胸の方向&反対肩方向へゆっくり引きます。
③お尻の深い部分が伸びる位置で20秒キープします。

器具を使ったストレッチ
ストレッチポールで前もも、腸腰筋リリース
①うつ伏せになり、ポールを前ももの下におきます。
②体重を乗せてゆっくり転がします。
③30秒痛気持ちいい範囲で行います。
テニスボール(または筋膜ボール)でお尻を緩める
①床に座り、お尻の外側(中殿筋・梨状筋)にボールをおきます。
②体重をかけて軽く転がします。
③ズーンと響くポイントを見つけ20〜30秒キープします。
ゴムバンドを使った股関節牽引
①厚めのバンドを股関節の付け根に通します。
②反対側は柱や鉄棒などに固定します。
③軽くバンドが引っ張る状態で
・四つん這いロッキング
・股関節を前後にゆらす
④30秒行います。
フォームローラーで内もも(内転筋)リリース
①うつ伏せになり、フォームローラーを内ももの下におきます。
②ゆっくり体を前後に動かします。
③痛いところに20秒キープします。

トレーニング
ヒップヒンジ
①足を肩幅に開き、つま先はやや外向きにします。
②膝を軽く曲げ胸を張ります。
③お尻を後方へ突き出すように(椅子に座る感覚)前傾していきます。
※膝は前へ出すより股関節を曲げる意識。
④もも裏やお尻の伸びを感じたら、そこから立ち上がります。
⑤10× 3セットをゆっくり(下ろす2秒、上げる1秒)おこないます。
☆フォームのコツ
鏡があれば背中の角度と膝の位置をチェック。
膝がつま先より大幅に前に出ないようにします。
手は太ももに置いて、お尻が使えているか確認しながらおこないます。
※注意
背中を丸めて腰で折る → 腰痛のリスク。
膝を深く曲げ過ぎてスクワットになっている → 股関節を使えていない。
サイドレッグレイズ
①横向きで寝て、下側の脚は軽く曲げてバランスを取りやすくします。
②上側の脚をつま先をやや内向き(つま先下げ)にして、
足を斜め少し後方へ上げるイメージで行います。
③上げた位置で1秒キープしてゆっくりおろします。
④左右15回 × 3セットおこないます。
※痛みのない範囲でおこないます。
レッグスウィング(ダイナミックモビリティ)
①片手を壁に軽くつき、体幹を安定させます。(腰を反らさない)
②片脚を前後にゆっくり振ります。(大きく振り過ぎない)。
③股関節の可動域の範囲でコントロールして20回おこないます。
☆ポイント
腰で揺らす → 腰痛の原因。
反動を使いすぎて膝や腰にストレスがかかる。
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