こんにちは、柔道整復師の柘植智行です。
今日は、スポーツ障害についてお話しします。
スポーツ障害とは
スポーツ障害とは、スポーツ活動の繰り返しによって生じる慢性的な障害やケガを指します。
瞬間的に起こる「スポーツ外傷(捻挫・骨折など)」とは異なり、
スポーツ障害は長期的な負担の積み重ねで発症するのが特徴です。
オーバーユース(使いすぎ)やフォーム不良、
筋力や柔軟性のアンバランス、用具や環境の影響が大きく関係します。
早期に適切な対処を行うことで競技復帰がスムーズになり、再発予防にもつながります。
スポーツ障害の主な原因
• 過度な練習量や休養不足(オーバーユース)
• ストレッチ不足や筋力のアンバランス
• 不適切なフォームや姿勢での運動
• 自分の体に合っていない靴や用具の使用
• 急な運動強度の増加
• 成長期における骨や腱への過負荷(成長痛と混同されやすい)
• 硬い路面や不整地での運動
スポーツ障害の主な症状
• 運動中や運動後に特定部位に痛みが出る
• 腫れや熱感、動かしたときの違和感
• 動作を繰り返すと徐々に痛みが強くなる
• 安静時でも鈍痛を感じるようになる
• パフォーマンス低下や可動域制限
代表的なスポーツ障害
・シンスプリント(すねの内側の痛み)
・疲労骨折
・ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
・テニス肘、野球肘
・アキレス腱炎
・足底腱膜炎
スポーツ障害の対処法・治療法
■ 保存療法(軽度〜中等度)
• 練習量を調整し、安静を確保
• アイシングや圧迫による炎症抑制
• 消炎鎮痛剤の使用(必要に応じて)
• ストレッチや可動域改善のリハビリ
• 筋力バランスを整えるトレーニング
• テーピングやサポーターによる安定化
• 適切な靴・インソールの使用
◎再発予防
• ウォーミングアップ・クールダウンを徹底する
• 柔軟性維持のためのストレッチ習慣
• 筋力バランスを意識したトレーニング
• 練習量・強度の段階的な増加
• 成長期の選手は特にオーバーユースに注意
• 正しいフォームや姿勢の習得
• 適切なシューズ・用具の使用
ジャンパー膝について
ジャンパー膝は、膝のお皿(膝蓋骨)とすねの骨(脛骨)をつなぐ膝蓋腱に炎症が起こる障害です。
バレーボールやバスケットボール、サッカーなど、ジャンプや着地、
ダッシュを繰り返すスポーツで多く見られることから「ジャンパー膝」と呼ばれています。
オーバーユース(使いすぎ)が主な原因で、成長期の中高生からプロ選手まで幅広く発症します。
ジャンパー膝の主な原因
• 繰り返されるジャンプや着地動作
• 急激な運動量の増加
• 太もも前面(大腿四頭筋)の柔軟性不足
• 大腿四頭筋や臀部・体幹の筋力低下
• 硬い床や不整地でのプレー
• フォーム不良や過度な負担のかかる動き
ジャンパー膝の主な症状
• 膝蓋骨の下(お皿の下部)に局所的な痛み
• 運動中や運動後に痛みが増す
• 膝を伸ばす・しゃがむ・ジャンプで痛みが出る
• 初期はウォーミングアップで軽減するが、進行すると常時痛む
• 悪化すると安静時や階段昇降でも痛みを感じる
ジャンパー膝の対処法・治療法
■ 保存療法(軽度〜中等度)
• 痛みの出る動作を控え、安静を確保
• 冷却(アイシング)で炎症を抑える
• 消炎鎮痛剤の使用(必要時)
• 太もも前面・股関節周囲のストレッチ
• 大腿四頭筋や臀筋、体幹の筋力強化
• テーピングやサポーターで膝蓋腱をサポート
• 電気治療や超音波療法による疼痛緩和
ジャンパー膝の再発予防
• ウォーミングアップ・クールダウンを習慣化
• 大腿四頭筋・臀部・体幹のバランス強化
• 股関節や太もも前面の柔軟性維持
• 運動強度は徐々に増やし、オーバーユースを防ぐ
• ジャンプ・着地フォームの改善
• クッション性のあるシューズを選ぶ
野球肘について
野球肘とは、投球動作の繰り返しによって肘関節に負担がかかり、炎症や損傷が起こるスポーツ障害です。
特に成長期の小中学生の野球選手に多く見られます。
正式には「内側型」「外側型」「後方型」に分けられ、それぞれ障害を起こす部位が異なります。
初期に適切なケアを行わないと、骨や軟骨の変形・疲労骨折などにつながり、
将来的なパフォーマンス低下や関節障害のリスクが高まります。
野球肘の主な原因
• 投球過多(ピッチ数制限を超えた練習・試合)
• 投球フォームの不良(肘への過剰なストレス)
• 体幹・下肢の筋力不足による腕への依存
• ウォーミングアップ不足
• 成長期の骨端部(骨の端の成長線)への負担
• 不適切なポジションや短期間での連投
野球肘の主な症状
• 投球時や投球後に肘の内側・外側・後方の痛み
• 肘の曲げ伸ばしに制限や違和感がある
• 腫れや熱感を伴うことがある
• 握力低下や力が入りにくい
• 重症化すると、肘がまっすぐ伸びなくなる
野球肘の対処法・治療法
■ 保存療法(軽度〜中等度)
• 投球を中止し、安静を確保
• 冷却(アイシング)で炎症を抑える
• 消炎鎮痛剤の使用(必要に応じて)
• 可動域改善のリハビリ
• 前腕・肩・体幹の筋力強化
• 投球フォームの改善指導
野球肘の再発予防
• 投球数や登板間隔を守る(学童期は特に重要)
• 正しいフォームの習得と定期的なチェック
• 全身を使った投球(下半身・体幹主導)を意識
• 肩・肘・前腕の柔軟性維持
• 日々のストレッチとコンディショニング
• 痛みを我慢して投げ続けない習慣を身につける
ゴルフ肘(内側上顆炎)について
肘の内側にある、内側上顆(前腕屈筋群の付着部)に炎症や微細損傷が起きることで発症する障害です。
ゴルフスイングのほか、投球、テニスのフォアハンド、
重量物の持ち上げなどで繰り返し負荷がかかることによって生じます。
ゴルフ肘の原因
• 手首を内側に曲げる動作(手関節の屈曲)や前腕の回内動作の繰り返し
• ゴルフのスイングフォーム不良(ダフリや手打ち)
• ラケットスポーツでの誤ったフォーム
• 重い荷物を頻繁に持ち上げる作業
• 筋肉疲労や柔軟性不足によるストレス集中
ゴルフ肘の症状
• 肘の内側の痛み(特に骨の出っ張り部分)
• 手首を曲げたり、物を強く握った時に痛みが増す
• 前腕のだるさ、握力低下
• 進行すると日常動作(ドアノブを回す、ペットボトルを開ける)でも痛みが出る
ゴルフ肘の診断
• 医師による触診(内側上顆の圧痛確認)
• 手首を屈曲・前腕回内させるテストで痛み誘発
• X線で骨異常の確認、MRIや超音波で炎症の有無を確認する場合もある
ゴルフ肘の治療法
①保存療法が基本
• 安静(痛みを起こす動作を控える)
• アイシング(急性期の炎症時)
• 温熱療法(慢性期の血流改善)
• サポーターやテーピングで負荷軽減
②リハビリ
• 前腕屈筋・伸筋群のストレッチ
• 手首・前腕の筋力トレーニング(軽負荷から)
• 体幹や肩周囲の強化(フォーム改善にも有効)
③薬物療法
• 消炎鎮痛薬(NSAIDs)
• 痛みが強い場合は局所注射
④手術(稀)
• 保存療法で改善しない重度例で、腱付着部の修復を行う
ゴルフ肘の予防
• スイングやフォームの改善(手首に頼らず、体幹主導の動作)
• 練習量の調整と十分な休養
• 準備運動・ストレッチの徹底
• グリップの太さやラケット・クラブの見直し
• 前腕筋群の柔軟性・筋力強化
シンスプリントについて
脛(すね)の内側(下腿の内側、内くるぶしから10〜15cm上あたり)に痛みが出る障害で、
主に脛骨に付着する筋肉(後脛骨筋・ヒラメ筋・長趾屈筋など)の牽引ストレス によって
骨膜が炎症を起こして発症します。
シンスプリントの原因
• 硬い路面でのランニングやジャンプ動作の繰り返し
• シューズのクッション不足や摩耗
• 扁平足や回内足(足首が内側に傾く足の形)
• 急な運動量の増加(距離・強度・頻度)
• 下腿の柔軟性不足(ふくらはぎ・アキレス腱が硬い)
シンスプリントの症状
• 運動開始時にすねの内側が痛む
• 運動を続けると痛みが強くなり、休むと軽くなる
• 悪化すると歩行や日常生活でも痛む
シンスプリントの治療と対処法
1. 安静・運動量の調整
完全休養よりも、痛みの出ない範囲で負担を減らしたトレーニングに切り替えるのが基本。
(例:ランニング → バイク・水泳などに変更)
2. アイシング
運動後にすねの内側を冷却し、炎症を抑える。
3. ストレッチとマッサージ
• ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)のストレッチ
• 足裏のストレッチ
• 下腿のマッサージやフォームローラーでのケア
4. インソール・シューズの見直し
扁平足や回内足の人はアーチを支えるインソールを使用すると効果的。
5. 筋力トレーニング
• 足首の内反・外反運動(チューブを使って)
• つま先立ち・カーフレイズ
• 片足バランストレーニング
シンスプリントの予防
• 運動前後の十分なウォームアップとストレッチ
• 運動量を10〜15%ずつ徐々に増やす
• クッション性の高いシューズを使用し、定期的に交換する
• 下腿や足底の柔軟性・筋力をバランスよく強化する
疲労骨折について
疲労骨折は一度では骨折しない程度の弱い力が、
骨の同じ部位に繰り返し加わることで生じる骨の損傷(ひびや完全な骨折)です。
通常の骨折とは異なり、使いすぎ(オーバーユース)が原因で起こるスポーツ障害です。
特にランニングやジャンプを多用する競技で、すね(脛骨)や足の骨に多く発生します。
疲労骨折の主な原因
• 繰り返しの運動負荷(オーバーユース)
練習量や強度を急激に増やしたときや、休息・栄養が不足している状態でトレーニングを続けたとき。
• 骨への物理的ストレス
硬い路面での練習、クッション性の低い不適切なシューズの使用、足のアーチ(土踏まず)の異常(扁平足など)
• 身体側の要因
筋力・柔軟性の不足、骨格の異常、女性アスリートの無月経や栄養不足による骨密度の低下。
疲労骨折の主な症状
• 運動時や運動後の鈍い痛み
初期は運動中にのみ、進行すると安静時にも痛みが出る。
• 限局性の圧痛
骨折部位を指で押すと、ピンポイントで強い痛みがある。
• 進行に伴う症状
患部の腫れ、熱感。痛みが強くなると運動の継続や、重症化すると歩行が困難になる。
疲労骨折の対処法・治療法
保存療法
• 運動制限・絶対安静
痛みの原因となる動作を完全に中止し、骨が修復するまで安静にする。
重症度により松葉杖などで患部を動かさないようにする(免荷)。
• 患部を保護
医師の指示のもと、骨への負荷を分散・軽減するため専用の装具やインソールを使用する。
• 骨癒合の促進
超音波治療(リグロス)などの物理療法を行うことがある。
進行した場合
• 整形外科での精密検査(MRIなど)が必要。
• 治りにくい部位や、完全骨折に進行した場合は手術を検討することがある。
疲労骨折の再発予防
• 段階的な負荷の増加
トレーニング量(距離、時間、強度)は徐々に増やし、急激な増加を避ける。
• 適切な休養と栄養
疲労回復のための十分な休息と、骨の修復に必要な栄養素をしっかり摂取する。
• 筋力・柔軟性強化
衝撃を吸収する下肢の筋肉(ふくらはぎ、太ももなど)のストレッチと筋力強化を行う。
• フォームとシューズの見直し
足に合ったクッション性の高いシューズを使用し、ランニングフォームなどを改善する。
疲労骨折は初期の違和感を見逃さず、
早期に運動を中止して安静にすることが、重症化を防ぐために最も重要です。
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